2020年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」主人公明智光秀は実は鍼の名手だった!?
鍼の聖地いばらき in Osaka~早春ハラノムシまつり
この度、現在放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公明智光秀を題材に、
鍼灸に対して楽しく学ぶ企画が開催されます。
茨木市は、
最古の鍼の流儀書といわれている『針聞書』の
編纂者・茨木元行が活躍した地であり
この茨木を「鍼の聖地」と位置付けました。
令和2年2月8日(土)に
明智光秀所伝『針薬方』などテーマに
大阪府茨木市内(会場未定)で開催されます。
早春ハラノムシ祭りは
翌9日(日)に茨木市福祉文化会館(オークシアター)で、
公益社団法人大阪府鍼灸師会主催。
Q1:なぜ茨木が「鍼の聖地」なのでしょうか?
A1:戦国時代、摂津の国の上郡(かみぐん)すなわち現在の茨木市域に、
茨木(いばらき)二(に)介(すけ)という人物が住んでいました。
彼は室町時代まで当地を治めていた土豪・茨木氏の末裔と考えられ、
針(しん)得(とく)と称する鍼の名人に師事し、
鍼(はり)立(たて)(鍼治専門医)となって元行を名乗るようになりました。
そして、永禄11年(1568)に『針聞書(はりききがき)』を、
翌12年(1569)には『針流書(はりりゅうのしょ)』を書きあらわし、
今(きん)新流(しんりゅう)という流派を興して門人を集め、鍼術の教育を始めました。
今新流は現時点で判明している最も古い鍼術の流派で、
元行の教育活動が端緒となって江戸時代に数々の流派が勃興し、
その根強さで明治(維新)と昭和(敗戦)の二度にわたる存亡の危機を乗り越えて、
令和の今にいたるまで、鍼術および灸術は国民の健康増進と疾病治癒に役立ち続けているのです。
そして、私たち国家資格を有する十数万人の鍼灸師のルーツは、
歴史を掘り起こせば今新流開祖の茨木元行にたどり着くわけですから、
元行の活躍した茨木は「鍼の聖地」と位置づけられますし、
元行自身も「鍼聖」として讃えるべき偉人なのです。
そして、「令和の鍼灸―新時代の可能性―」ついて、
鍼灸界のトップランナーである明治国際医療大学の矢野忠学長をお招きし、
皆様に熱弁をふるっていただける運びとなりました。
日本でただ一人の現役の鍼灸師の大学長、
現代の鍼聖が語る鍼灸の未来予想図に、乞うご期待ください!
Q2:なぜ「ハラノムシまつり」なのでしょうか?
A2:元行の主著『針聞書』は、九州国立博物館の収蔵品です。
この書物の後ろ半分にはオモシロおかしいハラノムシの絵図が63点も描かれているのですが、
その人気ぶりはNHK「チコちゃんに叱れる!」で紹介されたほどです。
『針聞書』が著されて450年の節目に当たった2018年は、
茨木市鍼灸師会の有志を中心に鍼聖茨木元行顕彰会を結成し、
5月には発足式を兼ねた芸能イベント「ザ・ハラノムシ・ワールド」を開催して
鍼聖・元行の功績を盛大にお祝いしました。
そして、11月には日本伝統鍼灸学会の第46回・全国大会を誘致して
茨木市に共催いただき、
中世から近代いたる茨木の歴史やハラノムシの文化史に関する講演、
終活にまつわる講話、古武術のワークショップ、漢字のジェスチャー大会など、
実に多彩な「市民公開講座」を繰り広げることができました。
近年、書物を題材に地域の振興を促す「文献観光資源学」という
新たなジャンルが提唱されていますが、
私たち鍼灸師の試みはそのモデルケース(実証実験)ともいえるわけです。
茨木で描かれたユニーク極まりないハラノムシは子供たちに大人気で、
茨木ひいては大阪の観光大使を担いうる魅力に溢れています。
今後、茨木の年中行事として「ハラノムシまつり」を継続し、
市民・府民さらには国民の皆様への認知度を高めていきたいと考えている次第です。
Q3:なぜ落語の演目が「光秀の鍼」なのでしょうか?
A3:2020年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる!」は
長谷川博己の扮する明智光秀が主人公ですが、
これまで光秀の前半生は謎に包まれていました。
ところが、熊本の旧家に秘匿されてきた『針(しん)薬方(やくほう)』が、
光秀の口伝を筆記した古医書であることが判明し、
前半生の謎を解く鍵となったのです。
書物のタイトルが示すように、光秀は鍼術も会得していたのです。
『針薬方』が写されたのは永禄9年(1566)のことで、
『針聞書』の2年前に当たり、
もし光秀が武将として出世できずに「牢人医師」のままだったら、
あるいは元行の強力なライバルになっていたかも知れません。
桂福丸師匠には、2018年5月の「ザ・ハラノムシ・ワールド」で
古典落語の「疝気の虫」を大熱演いただき、爆笑の渦が巻き起こりました。
そこで、文化庁芸術祭新人賞に輝いた名実ともに
落語界のホープである福丸師匠に「光秀の鍼」という演目で創作を依頼したところ、
快くお引き受けいただき、皆様の前で初披露していただけることとなりました。
将来的に古典として語り継がれていくこと必至の最新作、どうぞお楽しみに!
Q4: 大阪府民でなくても「府民公開講座」に参加できますか?
A4:今年度の「早春(はやはる)ハラノムシまつり」は、
公益社団法人大阪府鍼灸師会が主催する「府民公開講座」となっておりますが、
大阪府民でなくてもご参加いただけますので、安心してお申し込みください。
ただし、公益事業で「参加無料」となっているため、
お早めに ibaraki.gengyo@gmail.com(鍼聖茨木元行顕彰会)まで、
フルネームを漢字とカタカナでお知らせください。
なお、当日は全て自由席となっており、
第1部(講演)の開演直前の空席に、
事前申し込みをされていない希望者に着席していただく段取りとなっております。
現在、消防法によって固定座席のホールは立ち見が厳禁となっているため、
法令遵守の観点から、事前申し込みがお済みの方でも、
第2部(落語)に入場できない場合もございますので、予めご了承くださいませ。
また、当日の会場受付は混雑が予想されます。
12時半の開場予定となりますので、お早めにご来場いただきますよう、
何とぞ宜しくお願い申し上げます。